ロングステイのすすめ 青柳信郎  2007年春号
ビクトリア・ロングステイ初体験記 鳥井昭男 2006年秋号

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           ロングステイのすすめ
              (2007年春季号 Vol.61)

                                 青柳 信郎  

  暇になったら何処か海外の適地でノンビリとロングステイを楽しみたいナァーと思っていた私達が、大橋巨泉氏の著書「巨泉−2、実践・日本脱出」に出会い、当クラブの存在を知り早速入会した。
  さて、ロングステイの地を何処にしようか? 世界の色々ある候補地の中でも、治安、衛生(水道水がうまい)、物価及び使用言語の点から、暖かいニュージーランドが最高だと決めた。それに仲間が多そうなので安心だ。

  仕事の区切りがついた昨年の1月より1ヵ月間の予定で実行に移すことにした。今までのグループツアーと違って、手造りの旅行は、旅行中は勿論、その前後も楽しめるとよく言われる。特に旅行前は航空券、宿、及びレンタカー等の手配を全て自分でやる訳だが、これがまた楽しい。
  この過程で世話になったのはPCのインターネット機能だ。これをフルに活用すれば居ながらにして旅を作りあげることが可能になっていることを実感した。特に宿、我々は専らキッチン付きのモーテルを利用したが、NZ観光局からガイドブック「Where to stay」を貰い、殆どの宿がウェブサイトを持っているのでそこにアクセスすると写真をふんだんに使った情報が入手できる。値段交渉もサイトを使って行う。何回かやりとりしていると宿の主人に親しみを覚え、現地で実際に会うと会話が弾むようになる。格安航空券の各社比較も出来るし、レンタカーも写真で確認できる。まったく便利な時代になったものである。

ワナカ湖を望むマウントアイアンへハイキング

  それではここで我々の具体的な旅程を少し紹介させていただこう。1カ月の半分は南島での最大の都市クライストチャーチに滞在し,あとの半分は南島内の自然が素晴らしい地を選びドライブをすることにした。
  クライストチャーチ市内には日比谷公園の15倍はあると言われる大きな公園があり、中に植物園、テニスコート、ゴルフ場等があり、歩いていける距離のモーテルに居を構え、クラブの仲間とテニス、ゴルフを最大限楽しんだ。現地の人と交流できる機会はテニスだ。シニアーの時間帯が決まっていてその時間に行くと、マネージャーが適当に組合せしてくれる。終わればビールを酌み交わし雑談する楽しい一時だ。また、クライストチャーチはガーデン・シティといわれ、2月に行われる花祭りで有名だ。期間中花で飾られた美しい庭園めぐりを、マップ片手に車で回った。その数、10箇所に及んだ。

  一方、ドライブは、2週間で7ヶ所の観光地を廻り、合計走行キロは実に3千キロに及んだ。わが国ではとても考えられないが、観光立国NZは道路事情がバツグンによい上、車の数が少なく一日4百キロも走れた。ドライブしながら自然の景観を楽しむことは勿論、滞在地ではにぎり飯をリュックにつめてハイキングを楽しんだ。
  夕焼け、朝焼けが実にきれいだ。また、暗くなればなったで、満天の星を楽しむことが出来る。銀河の中の南十字星を星座図片手に見つける事も割合簡単だった。
  長くドライブしていると色々なことにぶつかる。パンクや、バッテリー切れ、はたまた砂地にはまり動けなくなったこともあった。困っていると、現地の人がまるで自分のことのように一生懸命助けてくれたのには感謝感激だった。

  時には一日中なにも予定を決めず部屋でポケーッとすることもあった。本を読んだり、景色を写生したりして過ごす。このような時間は中々海外旅行では味わえない。ロングステイなればこそだ。このようなスローライフを楽しむ旅は一度やるとはまると云われるのがよく判るような気がする。また是非NZを訪れてみたい。出来ればもう少し長めに。

  最後に、以前出会った「ニュージーランド賛歌」をご紹介しよう。何方が詠まれたか知らないが、今回ステイしてみて、この「うた」の気持ちが実によく判るような気がした。
  皆さまも一度彼の地を訪れてみては如何ですか?拙い文章で失礼しました。



  「便利さと裕福であることを果てしなく求め続ける日本と悠々自適とは何かを知るニュージーランド。両国の住人の価値観の隔たりは、その間にある南溟よりも深いかもしれない・・・・日本人としてニュージーランドにいるからこそ、見えることがある。感じることがある。今はただ、この国の自然が、人達が、自分の日常にあることを喜びたい。夏を悠々と楽しむ人を見ながら」

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ロングステイのすすめ 青柳信郎  2007年春号
ビクトリア・ロングステイ初体験記 鳥井昭男 2006年秋号


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