エル・プエルト・デ・サンタマリア:
 カディスの港から出るフェリーは、いつもの場所を大型コンテナ船2隻に占領され、数百メートル離れた岸壁からこそこそとサンタマリアに向けて出発、約30分の船旅。コロンブスがアメリカに渡る時に乗って行った「サンタマリア号」の持ち主が居た所で、私の下調べでは長期滞在地としてかなり期待していた町だったが、実際に行ってみると眠っている様に静かな町で、商店やレストランの類も数えるほどしか無かった。旅行案内書が伝える町の雰囲気と自分の目で確かめた結果の違いは非常に大きかった。余生をひっそりと暮らしたい人には向いているかも知れない。

サンフェルナンド:
 ここも、ローマ時代の橋がある位で1時間位居ただけで飽きてしまった。カディスとスペイン本土とを結ぶ数キロの細長い砂州の上を道路と鉄道線路が走り、その先がこの町。その砂州の上からの景色が見たくて片道1ユーロの2両連結バスに乗って行った。

タリファ:
 アフリカに最も近いヨーロッパ、と言う事で行って自分の目でアフリカを見て来た。小さな町で1泊すれば充分。古い町独特の雰囲気は良い。大型船が行き交うジブラルタル海峡では、アフリカからの不法入国を警戒してかヘリコプターと中型飛行機が常時上空を旋回していて、物々しかった。ここからはモロッコのタンジェまでフェリーが往復しているが、アフリカ行きは今回は見送った。最近読んだ「アルケミスト」という本の主人公が占い師の老女と出会った場所なので、一体どんな所か?という興味も有り、フムフムと納得して帰ってきた。夜の旧市街はカディス同様私好みの怪しい雰囲気が漂っていたが、占い師には出会わず、縫いぐるみの様な犬を連れ、酒で上機嫌になった5,6人の男性達と仲良くなった。
「タリファから見たアフリカ」
 カディスからバスで2時間のタリファの町から見たアフリカ。  あいにく曇り空だったが、自分の目で初めてアフリカを見て納得。ジブラルタル海峡はひっきりなしに大型船が行き来し、上空には不法入国を警戒するヘリコプターと飛行機が常時旋回している。
「タリファの犬」
 BARでワインとタパスの夕飯を済ませ、〆にウィスキーを飲んでの帰り道、と言っても泊まったオスタルはそのBARから歩いて50m位だが、こんな可愛い犬を連れている4,5人の男性のグループに出会った。この犬をしげしげと見ていると、「この犬、気に入ったかい」と話しかけてきた。「かわいいね!写真撮らせて」と言うと、飼い主が「ピッ」と口笛、次の瞬間この犬はテーブルの上に飛び乗ってこのポーズ。スペインの人達は犬が大好き。でも、この飼い主 ダニエル・ゲレッロ・アセンシオさん完全に犬と名前に負けてるナ。

メリダ:

 ローマ以外ではローマ時代の遺跡が一番多いと言われ、確かに見事。町の周りにはオリーブ畑が広がり、その中の小道は町の人達の絶好の散歩道で、ジョギングをしている人にも出会う。夜の9時過ぎに夕焼けになるこの辺では、その頃まで散歩時間で、例によって犬を連れた同年輩の男性と立ち話などして時間をつぶした。
「ローマ時代の遺跡」(メリダ)
 大きな野外劇場と闘技場が隣接して有り、これは劇場。地元の中学生が演劇の準備をしていた。今でも気軽に頻繁に利用している様だ。
「ローマ時代の橋」(メリダ)
 全長800m位の橋で、歩行者や自転車は自由に通れる。2000年前に作られたとは信じられない位きれいに頑丈に出来ており、この調子だとあと数千年は使えそうな感じ。


カセレス:
 レコンキスタの頃の中世の貴族の館が城壁に取り囲まれて建ち並ぶ町の中心は、中世以来時が止まってしまったかの様。そんな古い建物にも人が住んでいる。カセレスの城壁に囲まれた昔の騎士のお屋敷街は、みんなこんな路。古い遺跡などを見過ぎた目には、中世の建物は新しく見えた。


                                  
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