爺さん一人旅(タイ編)

文・写真:長谷 良悦
 
 
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戦場にかける橋:アルヒル桟道橋  撮影:長谷 良悦 

独法師コメント

20歳前後のころ、私は洋画の魅力に取りつかれた時期がありました。今は廃館となっている日比谷映画のロードショーで「戦場にかける橋」見たように記憶しています。

映画を知らない人も、そのテーマソングとなった「クワイ河マーチ」は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

映画は第2次世界大戦中の1943年、旧日本軍が、捕虜となったイギリス軍兵士や現地の人々を働かせ、タイとビルマ(当時)の国境を流れるクワイ川に鉄道用の橋をかけようとする話です。

軍の命令で軍人の誇りを命懸けで貫く、早川雪舟演じる斎藤大佐の意地。部下たちを守るために職務と誇りを貫こうとするアレック・ギネス演じる、ニコルソン大佐の意地のぶつかり合い。そして、戦争のむなしさが描かれた傑作で、1957年にアカデミー賞を受賞されています。

1950年代のアメリカ映画には、日本人は相当ひどく、また奇妙に描かれている映画が多くありました。そんな中にあって、早川雪洲の堂々とした貫禄ある演技は心地よく、日本人としての誇りを感じた映画でした。

この映画は後年のアメリカ映画で、日本を舞台に日本人と武士道を偏見なく描かれた意欲作、トムクルーズと渡辺謙共演の「ラストサムライ」(2003年)の先駆けとなったように思います。
(両雄の熱演は圧巻でしたが、トムさんは謙さんに若干食われていたようでした。)

長谷さんの旅行記を読んでいたら、忘れかけた記憶が蘇ってきました。